ご覧ください。これはシャルル・メシエの天体カタログに収録されている有名な楕円銀河M89です。M89は単純な楕円銀河に見えますが、うっすらと殻や噴き出す柱のようなもので覆われています。

なぜこのように殻で覆われているのかは現時点では明らかではありませんが、「潮汐力の尾」が原因となっている可能性があります。潮汐力の尾とは、銀河同士が衝突するときに、潮汐力によってその一部が尾のように長く伸びる現象をいいます。このM89の場合は、過去数十億年のあいだにおびただしい数の小銀河を吸収したために、残った銀河のかけらが潮汐力の尾になったと考えられます。

あるいはまた、この殻は池に生じた波紋のようなもので、最近他の大規模な銀河と衝突した時に密度の高い波が生まれ、それが波紋のようにこの巨大な銀河M89全体に伝わった結果形成されたとも考えられます。

その本当の原因が何であれ、この画像を見れば、少なくとも楕円銀河の中には近い過去に形成されたものがあること、また、ほとんどの大規模な銀河のハロー(銀河全体を包み込むように希薄な星間物質や球状星団がまばらに分布する球状の領域)が実際はなめらかではなく、頻繁に近くの小規模な銀河と相互作用を起こす──そして小さい銀河が大きい銀河に降着する──ために複雑な様相を見せることは、いっそうはっきりと分かるというものです。私たちの銀河系のハローは、そのような予期しない複雑な構造をしている一例です。

M89はおとめ座銀河団に属し、地球からは約5000万光年離れています。

 

原文:M89: Elliptical Galaxy with Outer Shells and Plumes
画像クレジット・著作権:Mark Hanson

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