解説

約40億光年の彼方に大質量の銀河団「アベル370」があります。この鮮明なハッブル宇宙望遠鏡の写真では、アベル370はふたつの巨大な楕円銀河に支配され、かすかに光るアーチが群がっているように見えます。

写真の中央左寄りにドラマチックな竜の形をしたアーチが見え、それに沿ってよりかすかな青みがかったアーチが散在しています。この青いアーチは、アベル370からさらに遠く離れた銀河なのです。

その銀河はアベル370より2倍ほど遠くにあり、銀河からの光は、ほかのまだ検出されていない光とともに、銀河団の莫大な重力質量──そのほとんどは目に見えないダークマターに占められています──によって拡大され、アーチ型に歪められているのです。そのおかげで、私たちは宇宙の初めごろの銀河の姿を垣間見ることができるのです。 じつに興味深いこの現象は、「重力レンズ効果」という名前で知られています。

「重力レンズ効果」は、重力によって時空そのものが歪められるために起こります。これは100年ほど前に、物理学者アルバート・アインシュタインによって予言されていました。

写真の右下に、トゲのような光を放つ銀河系の星が見えます。アベル370は、そのはるか彼方、くじら座の方角にあります。アベル370は、最近終了した「フロンティア・フィールズ」プロジェクトで撮影された6つの銀河団の最後のひとつです。

原文:Galaxy Cluster Abell 370 and Beyond
画像クレジット:NASA, ESA, Jennifer Lotz and the HFF Team (STScI)

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